PIMとは、自社製品の情報を一元管理して、さまざまな媒体と連携できるようにするシステムや手法のことです。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、消費行動のデジタルシフトが進む現代において、今後ますます注目を集めていくトレンドツールともいわれています。
本記事では、PIMの導入のメリットや機能、選ぶポイントについて詳しくご紹介していきます。
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目次
PIMとは、Product Information Management(プロダクトインフォメーションマネジメント)の略称で、日本では「商品情報管理」と解釈されます。スペックや画像など企業の商品情報を一元管理して、Webカタログやパンフレット、代理店向け資料といったさまざまなチャネルと連携させる商品管理手法です。
新しい商品情報が出たら、社内のデータベースだけでなく、カタログやパンフレットなども更新しなければなりません。その作業をひとつひとつ人の手で行うのはとても非効率です。人為的なミスにつながる可能性もあります。またカタログなどの紙媒体は、年に1度のリニューアルまで古い情報のままにしてしまうことも珍しくありません。
PIMを導入すれば、一元管理している商品情報を更新するだけで、Webカタログやパンフレットにも反映できます。価格改定などで情報が大幅に変わっても、PIMを更新するだけで、連携しているチャネルの価格をスピーディに修正することが可能です。
PIMが求められるようになったのは、デジタル化による購買行動の変化が関係しています。
スマートフォンの普及やコロナ禍の影響などで、商品をオンラインで購入する消費者が急増しました。いまやECサイトは、年代問わず幅広いユーザーに利用されています。
それに伴い、メーカーやブランドなどの企業は、その都度Webシステムを追加してきました。電子パンフレット、ECサイトなど多くのチャネルが増えましたが、別々にシステムを構築した結果、商品情報の管理もバラバラになってしまったのです。
いまでも商品スペックを各営業担当者がエクセルで管理していたり、小売店へ印刷して渡したり、個別で対応している企業は少なくありません。しかし何百、何万といった商品をもつ製造メーカーなどが、散在しているデータをすべて把握するのは至難の業です。
そこで注目されているのがPIMです。複雑化した商品情報を一元管理しようと導入する企業が増えています。
基幹システムと各チャネルをつなげておけば、自動で情報統一ができ、入力間違いのようなミスも起こりません。エクセルの情報を見ながら、手作業でスペックを更新するといった非効率もなくなります。
海外進出している企業では、自社のグローバルECサイトとカタログ、パンフレットなどすべてのメディアを連携させて、迅速な市場投入を実現しています。
競争力を維持するには、消費者が求める情報をスピーディーに届けることが必須。デジタル化により急増した情報量、新しい販売コンテンツの出現で、より高度なデータ管理が求められるようになったのです。
PIMを導入するとさまざまなメリットがあります。ここでは代表的な4つのメリットをご紹介します。
先述したとおり、商品情報を一元管理できることがPIMの大きな特徴です。自社の商品データを誰でもすぐに確認でき、販売店との情報共有もカンタンです。頻繁に取引先から問い合わせが来て、別の業務が滞ってしまうといった混乱からも解放されるでしょう。部署や組織を越えた連携が可能になり、業務の効率化につながります。
PIMを使えば、元となるデータベースを書き換えるだけで、Webカタログ、パンフレット、ECサイトなど連携しているチャネルもすべて修正できます。手作業で更新する手間や時間も大幅にカットできるでしょう。「Webサイトとカタログの情報が違う」というようなミスも防げます。
PIMで自社の情報システムを合理化すれば、新商品の情報もリアルタイムで発信できます。いままでは新しい商品ができても、代理店経由で販売店へ情報を伝えたり、数ヶ月かけてカタログを制作したり、情報提供までにタイムラグがありました。しかし連携が自動化できれば、情報共有も円滑になり、スピーディな市場投入が実現します。
取引先や販売店が希望するフォーマットへのデータ書き換えも安全に行えます。画像のリサイズや拡張子の変換なども簡単にできるので、事前に設定しておけば工数の削減、作業の効率化につながるでしょう。
次にPIMの一般的な機能についてご紹介します。
PIMは自社の商材に合わせて、「インテリア」「ファッション」などカテゴリを設定して管理できます。たとえば、「電化製品」を「冷蔵庫」「電子レンジ」などのカテゴリで分けて、さらに「ドア数」「庫内容量」など下の階層で定義付けしていくことが可能です。
扱う商材に合わせてどのような定義が必要なのか、管理する目的を洗い出しておくと、ツール選定や導入後の作業がスムーズに進むでしょう。
データベース化するためにデータの整合性をチェックする機能です。データ単体の性質だけでなく、ほかのデータとの関連性も確認できます。項目を設定できるPIMもあるので、事前に定義しておけば統合作業が容易になるでしょう。
GUI(Graphical User Interface)とは、コンピューターのアイコンやボタン、プルダウンメニューを使ってマウスなどで操作できる画面のことです。PIMでは、データ管理のために専用のGUIが提供されます。使いやすさは業務に大きく影響します。自社の業務に適しているのか、操作性を確認しておくことが必要です。
定義した項目を社内外データと共有するための外部インターフェース機能をもっています。対応するフォーマットや連携方法などはツールによって異なります。データを抽出(Extract)し、変換(Transform)した上で格納(Load)する「ETL機能」をもつツールは多いですが、高度な統合システムではないため、ある程度のデータ準備が必要な場合も。
承認フローとは、承認業務にまつわる一連の流れをシステム化した機能です。データ公開前などに必要となる、責任者への申請・承認をスムーズにします。ただし、基本的な機能しかないツールも多いため、フローの作り込みや別ツールの導入を求められる場合もあります。
PIMによって標準装備している言語や通貨は異なります。長さや重さといった扱う単位も違うので、とくに海外展開を視野に入れている企業は、言語をカバーできているか、カスタマイズが必要かなどの細かい確認が重要です。
PIMを選定する際には、導入する目的を社内で明確にしておきましょう。ここからは、自社での確認事項をふまえながら、PIMを選ぶポイントについてご紹介します。
PIM導入の目的を整理し、管理する範囲を決めておくことが大切です。「どこまでを商品とするのか」「何を部品として分類するのか」など枠組みを話し合い、PIMで網羅したい範囲を確認します。
もし写真や動画、イラストなど素材データやコンテンツも含むなら、それらの管理を得意とする、デジタルアセットマネジメント(DAM)ツールを併用する方が効率的かもしれません。まずは管理対象を明確にしましょう。
PIMで管理する商品点数も大まかに把握しましょう。とくに販売終了した商品データは、削除するのか、アフターサポートのために残しておくのか、社内の方針によって大きく分かれます。PIMのプランや価格で商品点数の上限が変わることもあるので、事前にチェックしておきましょう。
いままで社内で使用してきた既存ツールや、関連会社の外部データなど、PIMと連携したいシステムがあれば、そのツールとの親和性も確認します。導入しても連携がスムーズにいかなければ、業務の負担になってしまいます。グローバル展開している商材なら、国ごとの規格制限などもあるので注意が必要です。
またECサイトやカタログ制作など、データを活用する作業によって、連携するソフトウェアは変わってきます。どの業務で活用するのかも確認しておきましょう。
いつ・誰が商品情報を編集するのか、管理業務を確認することも大切です。管理する人員が少ない場合は、サポート体制を手厚くしてもよいかもしれません。ツールを複数の人が活用するなら申請数も増えるので、承認のフローワーク機能があると便利でしょう。
使用目的を明確にしたうえで、PIMの標準機能をチェックしましょう。導入後に「こんな機能が欲しかった」と気づいても手遅れです。連携時のファイル形式や、データ加工の精度など、実現したい施策に適しているのか細かく調べましょう。
さらにPIM運用の拡大を見据えて、機能の拡張性までチェックできると安心です。バージョンアップが頻繁に行われているツールなら、将来性に期待ができます。
PIMシステムを導入する際のポイントについて紹介しましたが、本章ではPIMシステム導入プロジェクトのフローにおいて大切なポイントを解説します。
PIMシステムを選ぶポイントの章でも軽く言及しましたが、PIMを導入する際に一番大事なことは、PIMで実現できることや導入の目的を明確にし、PIM導入の捉え方を統一することです。この要件定義がPIMを導入する第一歩になります。
しかし、実際のケースでは要件定義をないがしろにしたままプロジェクト進行することがよく起こります。
先述したようなPIMと混同されやすいソリューションとの違いを理解した上で、「最終的に顧客にアピールするための商品情報を管理する」PIMに対する共通認識をもち、プロジェクトを進めることが大切です。
PIMシステムにおける承認ワークフローの定義をしっかりと行うことも非常に重要です。
PIMシステムで承認された商品情報がそのまま顧客に公開される商品情報となるため、慎重になりすぎて承認ワークフローに時間をかけたくなると思いますが、そうなると顧客への公開が遅れ、新情報の鮮度が落ちてしまいます。
承認ワークフローを定義する際には1つか2つの現実的な承認ステップに定め、情報の鮮度を保てるよう、より迅速に商品情報を提供することが重要です。
PIMシステムへのアクセス権限の細かすぎる設定や、ガバナンスへの過剰な配慮、必要な顧客への情報非開示などの問題も起こりがちなので、運用しやすい承認ワークフローを定義するように意識しましょう。
PIMの要件定義及び承認ワークフローの定義ができたら、PIMシステムの肝となるデータ準備をしっかり行うことが大切です。
PIMシステムは通常のシステムと異なり、新たに導入するケースが多いのが特徴です。導入時には新たに販売用の商品情報としてデータを体系立てて整理・準備し、PIMシステムに格納する必要があります。
その際、既存の情報から技術データを省いたり、逆にマーケティング情報を追加したりと、データ加工にそれなりの時間がかかることを覚悟しておきましょう。データ準備をしっかり行うことで「PIMシステムを導入したものの、商品情報に不要な情報や抜け漏れも多い」という不備もなくなり、効率的に業務を進めることができます。
またPIMシステムに関するデータ準備の際、商品情報に詳しい適任者を選ぶのに難航することがありますが、その場合は要件定義の段階からデータ作成についてのプロジェクトを開始することで、その後のデータ準備・整理におけるスムーズな進行を実現できます。
PIMについて基本をまとめてきました。
今後製造業の企業がデジタル化を進めていく上で必須となる概念になりますので、ぜひ押さえておくようにしましょう。
また、弊社のPlusdbはCSVをアップするだけで製品情報が公開できたり、FAQのサイトを公開できる製品となっています。
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